Graduation!
2004年2月28日寂しいような、晴れやかなような、なんともモザイクな気持ちですが
三年間の高校生活が終わりました。
動き辛かったセーラー。もう着ることがないと思うと、途端に恋しくなる。
帰ってきて脱ぎかけたけど、もう一回着直した。
洗面所の鏡にうつる、黒髪のK高校生。
やけにダボダボしたカーディガン。
プリーツの弱くなったスカート。
アイロン当てちゃってテラテラになった襟のすみっこ。
校章を何度も付けたから、ポケットはダマになっている。
そして、その上にある私の顔。
中学を卒業した時もこうやって見てみたが
何も変わってないように見えたって、やっぱりドコか成長したんだろうなと思う。
Gパンとシャツに着替えた。
ベッドに腰掛けて、卒業グッズを読み返す。
色紙とか、アルバムとか、卒業証書。
ちゃんと私の名前が書いてある。
蛍光灯の明かりの下で、それらはやけに光を反射していた。
私は眠れなかった夜を思う。
一体どれだけの朝日を見たか、指を折って数えてみたけど
両手で足りなくなってやめた。
私は笑った時間を思う。
どうしようもないギャグで昼休み中おなかを抱えてたり
8人でトランプしながら2時過ぎまで起きてたり
掘り起こしたらキリがないから、そのあたりで止めておいた。
辛かったことも
楽しかったことも
過ぎてみれば、こんなにも遠い日の記憶になる。
座ったままちょっと手を伸ばして、部屋の窓を少し開けてみる。
ほのかに湿った風。
パチパチ窓を叩く雨。
橙色の明滅する神戸の街。
2月28日は静かに終わろうとしていた。
パチン…
部屋の電気を消してみる。
空気に拡散されたネオンの光で、薄い影がのびている。
私はそのわずかな光の中で、卒業グッズをぜんぶ片付けた。
アルバムは本棚の奥に。
色紙は引き出しの底に。
卒業証書は金庫に鍵をかけて。
ベッドにもぐる。
まだ眠れそうにない。
ケータイを開く。
パキン…
時計は0時を少し回っていた。
2月29日。
今日は日曜日。
課題も部活も何もない、ただの日曜日。
卒業おめでとう。
誰に宛てるでもなくメールを打って
そのまま保存しケータイを閉じた。
今日から
この呼吸から
新しい日が始まる。
三年間の高校生活が終わりました。
動き辛かったセーラー。もう着ることがないと思うと、途端に恋しくなる。
帰ってきて脱ぎかけたけど、もう一回着直した。
洗面所の鏡にうつる、黒髪のK高校生。
やけにダボダボしたカーディガン。
プリーツの弱くなったスカート。
アイロン当てちゃってテラテラになった襟のすみっこ。
校章を何度も付けたから、ポケットはダマになっている。
そして、その上にある私の顔。
中学を卒業した時もこうやって見てみたが
何も変わってないように見えたって、やっぱりドコか成長したんだろうなと思う。
Gパンとシャツに着替えた。
ベッドに腰掛けて、卒業グッズを読み返す。
色紙とか、アルバムとか、卒業証書。
ちゃんと私の名前が書いてある。
蛍光灯の明かりの下で、それらはやけに光を反射していた。
私は眠れなかった夜を思う。
一体どれだけの朝日を見たか、指を折って数えてみたけど
両手で足りなくなってやめた。
私は笑った時間を思う。
どうしようもないギャグで昼休み中おなかを抱えてたり
8人でトランプしながら2時過ぎまで起きてたり
掘り起こしたらキリがないから、そのあたりで止めておいた。
辛かったことも
楽しかったことも
過ぎてみれば、こんなにも遠い日の記憶になる。
座ったままちょっと手を伸ばして、部屋の窓を少し開けてみる。
ほのかに湿った風。
パチパチ窓を叩く雨。
橙色の明滅する神戸の街。
2月28日は静かに終わろうとしていた。
パチン…
部屋の電気を消してみる。
空気に拡散されたネオンの光で、薄い影がのびている。
私はそのわずかな光の中で、卒業グッズをぜんぶ片付けた。
アルバムは本棚の奥に。
色紙は引き出しの底に。
卒業証書は金庫に鍵をかけて。
ベッドにもぐる。
まだ眠れそうにない。
ケータイを開く。
パキン…
時計は0時を少し回っていた。
2月29日。
今日は日曜日。
課題も部活も何もない、ただの日曜日。
卒業おめでとう。
誰に宛てるでもなくメールを打って
そのまま保存しケータイを閉じた。
今日から
この呼吸から
新しい日が始まる。
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