うちの母はお菓子好きである。
お菓子といっても守備範囲は広く、下は煎餅から
上はケーキまで幅広く好きである。
そのためかうちには自然とお菓子が集まってくるようで
ポテチであったりシュークリームであったり、とにかく
色いろ居るのであるが、困ったことがひとつある。
母は決して1個買いということをしない。
3個セットでいくらだとか、今なら20円引きだの、
そういったのをニコニコ鷲掴んでくるのだ。
うらやましがることなかれ。確かに自腹を切らずして
うまいお菓子を食べれるのなら、こんなに幸せなことはなかろう。
だが、だが万が一、あまりにもお味がかんばしくなかった場合。
口にした瞬間から私と母の仁義なき戦いが始まるのだ。
私も母も考えは一緒だ。肥えるリスクを負ってまでまずいものを食いたくはない。
リビングは冷戦になる。
冷蔵庫をあけるたび、仲良くならんだお菓子が目に入る。
私はそのお菓子のことを一切口に出さない。
母なぞ新たなお菓子を投入し逃避する始末。
期限は刻一刻と迫ってくる。
あと3日があと3時間になり、そしていつの間にか2日が過ぎていた。
 …負けるのはいつも私であった。
思い立った夜におもむろに冷蔵庫を開け、ヨーグルトだかゼリーだかシュークリームだかを、ひとりモソモソ食い始めるのだ。
そもそも母が折れるはずなどなかったのだ。そう、母はB型であった。
気に入ったものなら買ったその日に食い尽くしている。
興味がなければ見向きもしない。
冷蔵庫で幾日も生きながらえてる時点で、母が口にする可能性はゼロなのだ。
母は糖分と脂肪の塊をむさぼる私を見、他人事のように“太るぞ〜”などとのたまっている。
それでも私は食い続ける。いや、食わねばならんのだ。
もったいないから、などどいう一言で片付けてはならぬ。
そこにはなんらかの強迫観念とかそれこれの幼児体験とか、
ぶっちゃけ何でもいいが要するに“食わなくちゃ”という使命感に燃えているのだ!
さながら体育会のリレーのアンカー!
さながら競馬のラストの直線!!
さながら宇宙を駆けめぐる彗星!!!
そうさボクは星の王子様☆!☆!!☆!!!

・・・こうして私のダイエットは玉砕されるのである。

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