さくらももこの本にそういう本があったと思うけど、それは関係なく。

バイト入る時の向こうの条件は「週2」だったんだけど、麻疹の振り替えで
8月4日まで土曜が潰れ、週1しか入れなくなることに。
オイラ全然仕事出来てないし、職場の性質上、間が空くと結構色々忘れる
から(108個の料理番号とか)、マネージャーさんは私が退職する方向に話を進
めようとしてるのをそつなく厭味なくでも確実にプッシュしていた。

………んが。

昨日バイト上がった後オーナーと退職方向の話をしてるのを、マネージャー
も仕事しながら聞いてた感じなのだけど、会話の流れでオーナーにうちの家
業を聞かれた。

高校のメンバーには言ったかどうか覚えてないけど、うちの父は京大卒の整
形外科医で、兵庫区で診療所をやっている。
この事実は、公立育ちの自分にとってプラスに働かない(教師は別)ことは
少しの経験と直感で分かってたから、うちの親の職業を正直にゆった友達は
今まで10人に満たない。大体はサラリーマンで通し、余程仲良い友達にも自
営業としか言わなかった。

昨日久々に「開業医やってます」と言ったのだけど、その後のあれこれは想像
以上に凄かった。
お昼時間帯だったこともあり、マネージャーは「今日は何ナン食べるの〜?」
と擦り寄ってくるわ、オーナーはオーナーでメニューにないインド風ゴーヤ
チャンプルーとラッシーなんか出してくるわ、ネパール人コックまでもがカ
タコトで「何タベタイ?何でぃも作てあげるよ」とか言い出す始末。
結局2時に上がったのに解放されたのは4時。
更には、今まで大した自己主張もせず正体不明だったであろう私を明らか不
審視してたマネージャーが、どっからか良さげなクッキー缶出してきて私の
世間話に大仰な相槌打ちだしたもんだから鼻白んだ。

帰り際。

マネージャー「首痛めてるんよぉ。名刺とかってあったりする〜ぅ?」

ほら来た。世の中こういうふうに出来てます。醜い。
そして何だかんだで、しばらく週1でもノープロになってしまった。

親の職業というカードは、今までもこれからも余程のことがない限り、絶対
使わないことにしている。卑怯だから。
だけど大人の社会は今まで異常にそういうのに過敏だった。みんな恥も外聞
もなく人脈を手繰り寄せようと血眼になっている。
一応社会を覗いたことはあるから、人脈の有る無しで天と地の開きがあるの
は知っている。だけどここまで野獣的とは。。
分かってはいたけれど、唖然となった。

ちなみに、マネージャーは大学を出ていない。差別するわけではないが、そ
ういう人には独特の目線があるから初対面ですぐわかってしまう。でもこ
のマネージャーはハタチから飲食店を任され切り盛りしてきた自信があるか
ら、コンプレックスを感じさせない魅力があった。大工や役者みたいに、ア
ルチザン(職人)として生きてきた自負やプライドが、彼女に学歴に代わる
鎧兜を与えていた。そこを私はすごく尊敬していた。

だけど昨日、ヘコヘコと豹変した彼女は、どうしようもないくらい見苦しかった。

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