割と忙しい。



そこそこもう大人なので、それなりに処世術らしきものは身に付けている。
オイシイ立ち位置をゲットするためには一芝居打つし、計算もガンガンする。
感情をブンブン振り回してると疲れるからブレーカーを落としてある。
最終的な辻褄が合うかどうかだけが重要なので、抜けるとこは全部手を抜いている。
おかげでそれなりに体力対効果のコストパフォーマンスの良い生活を送れている。

ただ、人間と機械の違いは、駆動エネルギー源が電気か血液かという点だ。
機械の場合、電流を入れたり切ったりした後でも動作の再現性はあるが、
人間の場合、あんまり血流を止めておくと痺れるし、壊死しちゃったりもする。

久々に感情のブレーカーを上げてみたら、なんかセンサーの表面が鈍くなっていた。
なんか刺激されてるのは分かるけど、ブニブニとして明瞭でない。
ああ、痺れてるのか、と。

昔、理性で感情を制御し、社会的に巧く振舞うのが苦痛でならなかった。
「泣きたい時に泣けない、叫びたい時に叫べない。
 ねぇ、それじゃ何で人間は感情を持ってるの?」
とか真剣に怒ってたなぁ、と、懐かしく思った。

他人の感情のヒダはそこそこ読み取れるけど、自分の感情はよく分からない。
じきに痺れもとれるだろうけど。

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